フェリス音楽教室創設50周年記念演奏会
フェリス音楽教室創設５０周年記念演奏会は２００５年３月２１日横浜みなとみらいホール
大ホールにて出演者約４００名、入場者約１，３００名にて盛会に終えることができました。
♪プログラムより♪
| ご挨拶 |
| 50周年の歩みの中で 室長渡邊明 |
| フェリス音楽教室が組織的な形で開設されたのは、昭和３０年（1955年）のことです。 |
| 昭和26年（1951年）に、短期大学音楽科が誕生して間もなくのことでありました。この |
| 昭和30年を音楽教室の発足年として、本年が50周年ということになります。 |
| 戦後におけるフェリスの音楽教育は、終戦直後の昭和２２年（1947年）にフェリスの３年 |
| 制の専門学校の中に音楽の専門コースをスタートさせたことに始まります。そしてその中 |
| 心的な役割を担ったのが三宅洋一郎先生でありました。先生はその創設の思いを、 |
| 「一時は敗戦のショックに打ちのめされていた私にも、将来の日本がいかに生きて行くか |
| を求める希望と夢が芽生えてきた。それまで横浜にも神奈川にも存在しなかった音楽専門 |
| の教育機関を創り出すことだった。それには昔から音楽の伝統を持つフェリスを措いて他 |
| には考えられなかった。｣と述べています。 |
| 先生は同時に音楽の本格的な専門教育を考えるなら、子供達に対する音楽教育もまた不 |
| 可欠であると考えたのでしょう、｢フェリス音楽教室｣をほぼ平行して発足させ、その室 |
| 長として尽力されたのです。その後、佐藤 馨先生が室長として尽力され、当時は６００ |
| 名に及ぶ子供達が学ぶほどの盛況でありました。私は１９８６年に佐藤先生からの依頼で |
| この音楽教室に直接関わるようになり、芳野靖夫先生の４年間の音楽学部長兼室長の後を |
| 受けて、１９９７年より本格的に子供達のことを見つめるようになりました。 |
| こうして子供達をじっと見つめるうちに、《７つ子供は神のもの》 という思いが沸々と |
| 私の胸の中には湧いて来ました。７歳頃までの子供は神の領域にあるもので、人間の誰の |
| ものでもない。だから７つ子供は決して教え込むのではなく、みんなでひたすら護るだけ |
| だという思いです。ドビュッシーの前奏曲の中の 「亜麻色の髪の乙女｣には、毬を追いか |
| けて無邪気に遊ぶ愛娘をじっと見護る父親の祈りにも似た気持ちが聞こえます。 |
| その子供達にとってそれでは音楽とは何なのかということも絶えず問われることでした。 |
| 音楽は心のやさしさから・・・ |
| 心のやさしさは音楽から・・・ |
| そんな答えが返ってきました。７つ子供の心が本来的にもっているやさしさが損なわれる |
| ことなく、音楽がそのための触媒となってくれるならという思いからです。心がいかに大 |
| 切かということについては、ドイツの詩人メーリケの詩の一節がいみじくも語っています。 |
| 自然がどれほど多くの栄光を |
| 高貴な芸術がどれほど偉大なものを |
| 創造しようとも |
| 何が 美しい心にまさろうか |
| ここでメーリケは「美しい心｣こそがなによりも神がくれたもの、神に近づくものであるこ |
| とを説いています。そして私の心には、この「美しい心」は優れた音楽を体験する中から |
| こそ生まれるものという思いがずっと響いているのです。 |
| 現在の教室の生徒数は約４００名、講師凡そ７０名（ほとんどがフェリスを愛する卒業生達）で、授業は山手 |
| と緑園のキャンパスで行っています。５０年という長い年月を経て無事ここに至ること |
| が出来ましたのも、フェリス女学院の歴代の統括職の方々を始めとする、フェリスの人達 |
| の暖かいご理解とご支援があったればこそ、そしてこの教室の趣旨に賛同する先生方やご |
| 父母の方々の、子供に対する深い愛情があったればこそと心から感謝いたしております。 |
| 私は今、この教室の５０周年の節目に巡り会えた幸せをひしひしと感じています。 |
| どうぞ子供達の心の声を聞いてやってください。 |
| プログラム | ||
| S.Karg-Elert （1877-1933） オルガン独奏 |
コラール前奏曲 『 今こそ人みな、たたえ歌え/感謝を捧げよ、主のみわざに』 宮本とも子 |
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| J.Haydn （1732-1809） |
ピアノ協奏曲 ニ長調 Ｈｏｂ．ⅩⅧ/１１ Ⅰヴィヴァーチェ Ⅱウン ポコ アダージョ Ⅲロンド アルンゲレーゼ アレグロ アッサイ |
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| ピアノ独奏 第1楽章 | 今井祐花 | |
| 第2・第3楽章 | 川口成彦 | |
| 室内楽 | 桐山建志 大西律子 諸岡涼子 諸岡範澄 諸岡典経 尾崎温子 三宮正満 間宮 淳 飯島さゆり |
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| 休憩 | ||
| G.F.Handel （1865-1759） |
オラトリオ『メサイア』より | |
| 指揮 | 渡邊 明 | |
| ソプラノ | 齊藤京子 | |
| テノール | 蔵田雅之 | |
| バリトン | 星野 聡 | |
| チェンバロオルガン | 岡田龍之介 | |
| オーケストラ | フェリス音楽教室アンサンブル | |
| 合唱 | フェリス音楽教室生徒･講師･保護者有志 | |
| 横浜オラトリオ協会合唱団男声有志 | ||
| リーダーターフェル・ジルヴァーナ有志 | ||